桃山陶芸の華展

桃山陶芸の華展 大阪 5月31日〜6月13日 なんば高島屋

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桃山陶芸の華展

桃山時代の名品と現代の陶工の力作を同時に展示して、今の陶工たちは桃山を超えたかどうかをみなさんに判断してもら
おうという展示会の形式に、正直驚きました。
以前、加藤唐九郎が、桃山の名品と唐九郎の作品を比べて展示した、「志野・黄瀬戸・織部ー桃山と唐九郎展」というのが
ありましたが、この展示会とねらいは同じであり、その時以来の大胆な展示会形式でしょう。

桃山陶芸の華展 看板
日曜日だったため、ある程度の混雑は予想していましたが、それを遙かに上回るお客さんの入りでした。
陶芸に対する関心度の高さを、改めて実感しました。
作品の陳列形式ですが、まず第一部「桃山陶芸の精華」は黄瀬戸、瀬戸黒、志野、織部を中心に、そして第二部「現代に見る桃山陶芸の心」は、荒川豊蔵、加藤清之、加藤卓男、加藤唐九郎、川喜田半泥子、北大路魯山人、鈴木蔵、柳原睦夫の代表作を展示していました。
まず目に止まったのが、「志野茶碗 銘 弁慶」です。現代の志野とは明らかに違う、とても柔らかな釉調が印象的でした。
小鉢や黒織部の茶碗などの斬新な形には、驚かされました。現代でも通用しそうなすばらしい造形美には、感動させられました。

現代陶芸家の作品で特筆すべきは、やはり加藤唐九郎でしょう。
「黄瀬戸茶碗 銘 七星」は、ガラス質というよりは土味が残った釉薬が美しく発色しています。
黄瀬戸は灰の選択が非常に難しく、実際、桃山時代の名品のようなすばらしい発色の黄瀬戸を再現できたのは、唐九郎だけでしょう。
「志野茶碗 銘 鬼ヶ島」。この茶碗は、荒々しい土に雪が積もったような景色を連想させてくれる、すばらしい茶碗です。
形といい、志野の発色といい、まさにこれこそが唐九郎の志野茶碗といっても過言ではないでしょう。
そしてこの茶碗は、同じ展示会場に出品されている桃山時代の名碗と比べても見劣りしない、堂々とした茶碗でした。
「志野茶碗 銘 紫匂」。
白や赤の志野を見慣れている為、こんな志野もあるのかとショックを受けました。
以前から写真を見て、この作品は知っていたのですが、光の具合でしょうか、実物はもっと妖しげで、明るくて上品な紫色に美しく光り輝いていました。
この茶碗は桃山陶を知り尽くした唐九郎が桃山陶の再現には飽きたらず、自分の世界を作り上げようとした彼の集大成の作品であり、間違いなくこの展示会でメインの作品であると実感しました。
桃山陶芸の華展 入り口

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