隠崎隆一 陶展 2002年12月3〜9日 日本橋三越
金重有邦 作陶展 2002年12月1〜8日 益田屋ギャラリー 新宿区百人町2−20−17


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去年の12月も、正宗悟さんの個展を見るために上京しました。なんか、年末恒例という感じになりつつあります。さて、今回は隠崎隆一さんと金重有邦さんの展示会を見るために新幹線に乗り、12時過ぎに東京駅に着き、そこから歩いて三越へ。地下鉄に乗るのも不安だし、日本橋を見物してから行こうかなという、おのぼりさんの発想でした。

無事三越に着き、エレベーターで上がって隠崎隆一さんの個展会場へ。そこはもう、別世界です。目の前には黒い壁が。そこから一歩入ると、もう隠崎隆一ワールドです。左手には花器と鉢がお出迎え。その奥は細い通路になっていて、左手に水指が。蓋が赤、黒、そして持ち手が金色。隠崎さんらしい、常識を覆す作品です。

その奥に進むと、開けた会場に黒い什器、そこに整然と展示された作品。こんな個展、見たことありません。あまりの迫力に圧倒されると同時に、一人の陶芸家でこれだけの空間が作り出せるという感動で、思わず言葉を失ってしまいました。
作品に目を移すと、作品カードには、花器や皿などの記述が一切ありません。持ち手となった方に、自由に使ってもらいたいという作家の配慮でしょうか?作品には番号しかついていませんでした。
ちょうど中央の柱の裏側に、自然練り込みの大皿のあまりの土味のよさ、大胆な削りに見とれてしまいました。大きな石はぜ、何色もの土が入り混じった所に緋襷の赤が見事に調和しており、思わず唸ってしまいました。川端さん、横山さん、駒形さんとはまた違う練り込み、掘り出したまま?の土を練らずにそのまま使って作品を作ろうという、あまりにも非常識な発想から生まれた、あまりにもすばらしい作品。これを見ただけでも、東京まで来てよかったと実感しました。

そのすぐ近くには、同じく練り込みの広口花器。こちらも土味は抜群で、内側には釉薬がかかっていたのですが、撥水剤でシャープな形を描き、その部分だけ焼き締めになっていました。
後は大胆にカットした大鉢。ぐい呑で似たような形の作品を作られていますが、迫力が違います。幅が40センチになると、存在感があります。

その他にも見事な球形花器や、四角錐を逆さにしたような広口花器、半円に円錐をくっつけたような形の花器などがありましたが、どれも作家のセンスを感じさせる、すばらしい作品でした。次回の個展も、ぜひ行ってみようと思います。

次に渋谷の黒田陶苑へ。ここでは各務周海さんが個展をされていました。志野の作品もありましたが、やはり黄瀬戸の方がいいですね。茶碗の高台があまりに大きいのには驚きましたが、発色はよかったです。あと、黒田陶苑が、「PEN」という雑誌に徳利、ぐい呑の特集を掲載されていたので、展示もそれらがメインになっていました。私のお気に入りは、藤原健さんの徳利、あれはよかったですね。

最後は、西大久保にある、益田屋へ。ここでは金重有邦さんが個展をされています。駅から十分ほど歩いた、繁華街からはずれた所にあり、少し分かりにくかったですが、無事に辿り着けました。

以前から私の好みの、艶のある黒の花器。今回も見ることができました。土がよくないと出ない色合いですね。あと緋襷は、私のお気に入りの電気窯のではなくて、登り窯のもの。あの鮮やかな緋襷の茶碗が見たかったので、少し残念でした。

それから新宿のヨドバシカメラへ行き、もう一度隠崎さんの個展を見てから帰りました。同じ方の個展を二度も見に行ったのは、これが初めてです。あまりにも印象深い展示会でした。

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